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タイ現代アート入門

現代アートってなんだか難しそう?
いえいえ、そんなことありません!タイの現代アーティストたちが取り組んでいるテーマは、ジェンダー、環境破壊、移民問題など、日本人にとって身近な課題も。同時代のバンコクに暮らす私たちだからこそ、彼らの作品から感じられることがきっとあるはずです。なにより、アートのある空間は、そこに行くだけで知的好奇心を満たしてくれます。言葉が分からなくても楽しめる“アート”に触れに出かけてみませんか?

現代アーティストFILE

タイ国内にとどまらず、海外にも活躍の場を広げ、国際的なアートの文脈でも存在感を高めつつあるタイ人アーティストたち。まずは、タイの現代アートを楽しむために知っておきたい16人を代表作とともに紹介します。

アーティストの方にそれぞれ下記の質問についても答えてもらいました。
A.表現のジャンル
B.自身のスタイルを3単語で表すと?
C.今、関心のあるテーマ
D.好きなアーティスト
E.今後の展覧会の予定

アーラヤー・ラートヂャムルーンスック
(Araya Rasdjarmrearnsook) 61歳/トラート県出身

A.インスタレーション、立体作品、ビデオアート、小説
B.中間性、両義性、Articulate weaving
C.異なる種との文化人類学
D.過去のアーティスト
E.コーチ=ムジリス・ビエンナーレ




アピチャートポン・ウィーラセータクン
(Apichatpong Weerasethakul) 48歳/バンコク出身

A.映像、インスタレーション、写真、パフォーマンス
B.スペクトラル(怪奇な)、ローカルポリティクス、パーソナル
C.Shadows(影、まぼろし)
D.マルセル・デュシャン、マノエル・ド・オリヴェイラ、ブルース・ベイリー
E.光州ビエンナーレ




アレックス・フェイス
(Alex Face) 37歳/チャチューンサオ県出身

A.ストリートアート、ファインアート
B.子ども、被害者、ストリート
C.ストリートアートがコミュニティに与える影響
D.クロード・モネ
E.バンコク・アート・ビエンナーレ(10名のアーティストが所属するSOULED OUT STUDIOSとして参加)




ソーンチャイ・ポンサー
(Sornchai Phongsa) 27歳/カーンチャナブリー県出身

A.ミクストメディア
B.アニミズム、マイノリティ、不可視
C.人権
D.ヨーゼフ・ボイス
E.バンコク・アート・ビエンナーレ、トーキョーアーツアンドスペース(2018年8月~11月)、プラソン・ルームアン美術館(2018年12月)




ナウィン・ラワンチャイクン
(Navin Rawanchaikul) 47歳/チェンマイ県出身

A.コミュニティーに根ざしたアート
B.コミュニティ、アイデンティティー、コラボレーション
C.公共空間でどうやってアートを生み出すか
D.モンティエン・ブンマー
E.大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(2018年7月 29日~9月17日)、ミュージアム・サヤーム(2019年)




ピンナリー・サンピタック
(Pinaree Sanpitak) 57歳/バンコク出身

A.ペインティング、線画、立体作品、インスタレーション、観客参加型作品
B.身体、熟考、Serene (穏やかな)
C.感覚認知、空間の共有
D.息子、Shone Puipia
E.Singapore Tyler Print Institute(STPI)、ジムトンプソンファームでの屋外彫刻




アンパンニー(サーウィーヤ)・サト
(Ampannee Satoh) 35歳/パッターニー県出身

A.写真、ビデオアート
B.女性、写真、アート
C.移民
D.アイ・ウェイウェイ
E.ワルシャワ近代美術館「A beast A god and A line」(2018年7月20日~10月7日)




アンパンニー(サーウィーヤ)・サト
(Ampannee Satoh) 35歳/パッターニー県出身

A.写真、ビデオアート
B.女性、写真、アート
C.移民
D.アイ・ウェイウェイ
E.ワルシャワ近代美術館「A beast A god and A line」(2018年7月20日~10月7日)




ガウィター・ワタナチャヤングン
(Kawita Vatanajyankur) 30歳/バンコク出身

A.ビデオアート
B.コンテンポラリー・ビデオ・アート
C.性のモノ化、労働搾取、人身売買
D.マリーナ・アブラモヴィッチ
E.バンコク・アート・ビエンナーレ、Kasseler Kunstverein「Absurdity in Paradise」(2018年8月31日~10月28日)、ダニーデン公共美術館「Performing Textiles」(2018年5月5日~8月26日)、Alcaston Gallery「Performing Textiles」(2018年10月17日~11月10日)




コムグリット・テープティヤン
(Komkrit Tepthian) 33歳/スパンブリー県出身

A.立体作品、インスタレーション、線画
B.温故知新
C.現代における古い仏像の変化とそこから起きる問題
D.昔の職人たち
E.バンコク・アート・ビエンナーレ、ASIA NOW Paris Asian Art Fair(2018年10月17~21日)




サニタス・プラディットタッサニー
(Sanitas Pradittasnee) 38歳/バンコク出身

A.インスタレーション
B.リサーチ、非物質的な、スカルプチュラルスペース
C.儚さ、Nothingness(無)
D.オラファー・エリアソン
E.バンコク・アート・ビエンナーレ




ダーオ・ワーシックシリ
(Dow Wasiksiri) 61歳/ジャカルタ出身

A.写真
B.現代、ドキュメンタリー、写真
C.Peri-Urbanization(農村の都市化)
D.エドワード・ホッパー、デイヴィッド・ホックニー
E.バンコク・アート・ビエンナーレ




トーラープ・ラープヂャルーンスック
(Torlarp Larpjaroensook) 40歳/アユタヤ県出身

A.インスタレーション
B.物質、価値、別の角度からの視点
C.周囲に影響を与えるアイデンティティーを見つけること
D.デイビット・アルトメジョ
E.バンコク・アート・ビエンナーレ




ニーノー・サーラブット
(Nino Sarabutra) 48歳/ウボンラーチャターニー県出身

A.セラミックインスタレーション
B.コンセプチュアルセラミック
C.人間の行動と存在
D.アントニー・ゴームリー
E.バンコク・アート・ビエンナーレ




プラムアン・ブルパット
(Pramuan Burusphat) 65歳/バンコク出身

A.写真、写真を使った作品
B.概念的な作品
C.変化
D.ボッティチェッリ、モンティエン・ブンマー、エド・ルシェ、ルーカス・サマラス、ジャクソン・ポロック、マルセル・デュシャン、マン・レイ
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ヤミーラ・ハイー
(Yameelah Hayee) 28歳/ナラーティワート県出身

A.刺繍、インスタレーション
B.ペインティング、インスタレーション、刺繍
C.幸福、女性(花嫁)の願望、家族や社会の中での女性の役割、ヒジャブ
D.塩田千春、Jakkai Siributr
E.The 33rd PTT Art Competition(ソンクラー県、2018年8月24~9月21日)、The Queen Gallery「The 40th Bua Luang Paintings Competition」(2018年8月9日~10月5日)




リクリット・ティーラワニット
(Rirkrit Tiravanija) 58歳/アルゼンチン・ブエノスアイレス出身

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バンコクの個性派ギャラリストインタビュー

Bangkok City City Gallery

2015年8月にオープン、イマドキな展示で若者を中心に人気のカルチャースポット。元TCDCキュレーターのスパマート・パフローさんと映像監督のアンカポン・スタット・ナ・アユッタヤーさんが共同運営しています。
タナット・ティーラダーゴンによるエキシビション「RootTech」(8月26日で終了)

メインギャラリーとスモールギャラリーの2つの建物から成る

左がアンカポンさん、右がスパマートさん

Q このギャラリーが生まれたきっかけは?
A (スパマートさん)もともとアーティストの友人がたくさんいて、エキシビションなどを手伝っていたのですが、いい場所がなかなか見つからなくて。自分たちがやりたいようにできる場所を作ろうと思いました。

Q どんなアーティストたちがここで展示をしていますか?
A オープニングエキシビションはウィスット・ポンニミット(タムくん/P.36)の個展「Melo House」でした。ほかにも、ペインターのアレックス・フェイス(P.39)など、著名だけど作品を見る機会があまりないアーティストを呼んでいます。ほとんどがソロエキシビションで、一人のアーティストについて深く知ってもらえるような構成にしています。

Q タイの若いアーティストたちと一世代前のアーティストたちの間に違いや変化を感じますか?
A 昔は今ほどアートに対して自由ではなかったですね。今のアーティストたちは、やりたいことを自由に試す環境があります。両世代の共通項もあって、社会に対する問いの立て方や作品のテーマは変わっていないと思います。

Q 今後のイベントの予定は?
A 9月6日~9日に「BANGKOK ART BOOK FAIR 2018」を開催予定です。去年初めて行い、今年で2回目。日本からの出展もあるので、ぜひ遊びに来てくださいね。

Bangkok City City Gallery
TEL:083-087-2725
住所:13/3 Soi Sathorn 1, South Sathorn Rd.
営業時間:水-日13:00-19:00
休み:月火


S.A.C. Gallery Bangkok

スクンビット・ソイ39に、こんなに立派なギャラリーがあることは意外と日本人には知られていません。創設者は美術品収集家のスパショークさん。現在は、息子のヂョンスワットさんがマネジメントしています。
取材時にはタウィーポン・プラトゥムウォンの個展など3つのエキシビションを開催(8月5日で終了)

2.大きな岩を二つに割ったようなデザインのメインギャラリー

ヂョンスワット・アンカスワンシリさん

Q エキシビションのキュレーションは誰が行っていますか?
A (ヂョンスワットさん)インハウスキュレーターが3人いて、それぞれ、若手アーティスト担当、コンセプチュアルアート担当、海外アーティスト担当に分かれています。海外のアートフェアにも積極的に参加していて、9月にはロンドンの「START Art Fair」に参加します。

Q どんなアートに興味を持っていますか?
A タイのモダンアートの歴史はまだ浅く、シン・ピーラシー教授によって1943年にシラパコーン大学が設立されたのが始まり。1970年代以降にポストモダンの影響を受けて出てきた、解釈が一つに限定されないような作品、見る人と作品の関係性にフォーカスした作品に興味があります。

Q 注目しているアーティストは?
A 大気汚染など目に見えないものをアートで可視化するピチャイ・ポンサーサオワパークや、バンコク出身のムスリムでマイノリティの問題を扱うティダーラット・ヂャンタチュアなど。二人とも環境破壊や宗教などグローバルな課題を扱っていますが、タイではまだこういうアーティストは少ないですね。

Q 今後のエキシビションの予定は?
A 8月16日からチェンマイのギティゴーン・ティロックワッターノータイの個展が始まります。バンコクでは作品を見る機会が限られたアーティストの一人です。

S.A.C. Gallery Bangkok
TEL:02-662-0299
住所:160/3, Soi 33, Sukhumvit Rd.
営業時間:火-金10:00-17:00 土日11:00-18:30
休み:月


100 Tonson Gallery

バンコク中心部に構える一軒家ギャラリー。オープンは2003年で、老舗のコマーシャルギャラリーの一つ。シンガポール・ビエンナーレやアート・バーゼル香港など、海外のアートフェアにも出展しています。
ビエンナーレ・クラビに参加予定のドゥサディー・ハントラグーンの個展を開催中(9月23日まで)

小さなスペースながら、卓抜した審美眼で個性的な個展を重ねてきた

本業は金融系。オーナーのパンナチェット・エークアノーンさん

Q なぜバンコクにギャラリーをオープンしたのですか?
A (パンナチェットさん)数多くの才能溢れるタイ人アーティストを見て来たので、世界の人々にも彼らのことを知ってほしいと思ったからです。 私たちのミッションは、タイでアートマーケットの基盤を整え、タイのアーティストを国際的なステージで紹介すること。スイスのアート・バーゼルに東南アジアから初めて参加したのも私たちでした。

Q 注目しているアーティストは?
A チャートチャーイ・プイピア、アーラヤー・ラートヂャムルーンスック、ユーリー・ケンサク、プラティープ・スタートーンタイ、リクリット・ティーラワニットです。

Q 海外のアーティストと比較して、タイのアーティストの特徴は?
A アジアの周辺地域の中で、タイは歴史的に独立を保ってきた唯一の国です。そのため、社会構造から来る偏りがなく、自由な精神を反映した作品が生まれる傾向にあります。また、食べ物や迷信、霊的な信仰に関する“タイらしさ”もタイのアーティストに影響を与えていると思います。

Q 今後のエキシビションの予定は?
A 10月11日から「GHOST:2561」が始まります。今年が初開催のビデオとパフォーマンスアートのフェスティバルで、バンコク中のギャラリーが会場になります。その後には、プラティープ・スタートーンタイの長期プロジェクトを予定しています。

100 Tonson Gallery
TEL:02-010-5813
住所:100 Soi Tonson, Rama 1 Rd.
営業時間:木-日11:00-19:00
休み:月火水


バンコクの二大現代アート美術館

BACC(Bangkok Art & Culture Centre)

年間170万人が訪れる現代アートの中心地。バンコク都によって設立され、今年10周年を迎えた。1階から9階まで吹き抜けのアトリウムになっており、3階層を占めるメインギャラリーは、螺旋状の通路で階を行き来できる設計になっています。このほか、劇場や図書室も備え、映画、音楽、パフォーマンスアートなど、年間を通じて様々なイベントが企画されています。マムアングッズなどかわいい雑貨が並ぶ「ハプニングショップ」や、ハンドドリップにこだわるカフェ「ギャラリードリップコーヒー」など、見逃せない寄り道スポットもいっぱい。

3年に1度のエキシビション「Photo Bangkok」を開催中(9月9日で終了)

設計はアメリカ人建築家Robert G. Bougheyによるもの

美大生が集まるショップやカフェもあります

BACC
TEL:02-214-6630
住所:939 Rama 1 Rd.
営業時間:火-日10:00-21:00
休み:月
入場料:無料


MOCA(Museum of Contemporary Art)

通信会社DTACの創業者が2012年に設立した私設美術館。シラピン・ヘンチャート(ナショナルアーティスト)に選ばれたアーティストを中心に、プライベートコレクションを一般公開しています。彫刻家キアン・イムシリやチャルート・ニムサムー、画家タワン・ダッチャニーなど、タイ現代アートの巨匠たちのまとまった作品を有します。5階建てのうち、1階から4階まではすべてタイ人アーティストの作品で、タイの仏教や神話をモチーフにした作品を多く展示。ミュージアムカフェも併設されており、ゆっくりとアート鑑賞が楽しめます。

スケールの大きい絵画作品を数多く収蔵

中庭に面したミュージアムカフェ

設計はP Landscapeのタイ人建築家によるもの

MOCA
TEL:02-016-5666-7
住所:499 Kamphaengphet 6 Rd.
営業時間:火-金10:00-17:00 土日11:00-18:00
休み:月
入場料:大人250B、12歳以下無料


いかがでしたでしょうか?
みなさんもアートの世界にたっぷりと浸ってみませんか?

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と暮らす 15号 2021年4月15日発行

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