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ワキサカコウジ

ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわタイランド」第11回

 東京は秋の気配が濃厚になってきました。旅のベストシーズンですね。そうだ、タイに行こう…と思ったものの、なんだかよく知らないけど今は海外に出ようとすると、空港でぶたれて軟禁されるとかされないとか。仕方がないので今まで旅したタイの写真を見ていたら、10年以上前の「ワットアルン」の写真が出てきました。硬貨にも描かれるほど有名な寺院ですが、思えばここで初めてタイの不思議さを体感したのであります。

 この日は、友人達と3人でワット・アルンを見学する為、チャオプラヤー川の渡し船に乗っていました。川からの風景を楽しみつつ、最寄りの桟橋へ到着。下船すると、すぐ近くに小さな机を置いて座っている男性がいたのです。白いタンクトップ姿で、ぽっこりお腹を半分ほど露出したおじさん。彼は僕たちに向かって「お金を払いなさい」という手振りをしています。ん?渡し船の料金はさっき払ったけど…あ、そうか、もうここでお寺の拝観料を払うのね。おじさんに言われるがまま、3人で20Bを渡しました。しかしそこから少し歩いたお寺の入口で、再び「1人50B」と言われたのです。そこには窓口もあり、明確な料金表示が。そもそも係の人がお腹を出してないのであります。う〜む。確かにここが拝観料を払う場所のような気がするぞ…じぁあさっきのおじさんはなぁに?…って、あいつ勝手に受付やってたのかよ!毎日のルーティーンワークで疲れてる感まで醸し出てたけど、一体どんなメンタルなん?そういえばチケットも渡されなかったし、よくよく考えれば3人で20Bって割り切れないじゃん。

 とはいえ微々たる金額ですし、彼の新しいタンクトップの足しにでもなれば、と気を取り直してワットアルンを見学。すると敷地内で日本にもよくあるアレを発見しました。正式名称は分かりませんが、いわゆる「顔ハメ」でございます。穴から顔を出すだけで、タイの民族衣裳を着た感じになれる優れもの。早速、友人二人が顔をはめ、僕がデジカメでパチリ。で、画像を確認しながら三人でキャッキャッしていたら(全員中年ね)、後ろから急にタイ人のお兄さんが話し掛けてきたのです。「マネー、マネー」と。いやいや、なんで理由もなくお金をあげないといけないのよ…と無視して立ち去ろうとしたら、お兄さんが顔ハメの足の辺りを指差しました。自信満々に。そこに小さく書いてあったよね、「40B」って。ず、ずるいぞチミ…そんなシステムだったなんて。しかもそれは1人分で、2人で80Bだと言うのです。しぶしぶ100B紙幣を渡したら、お兄さんはお釣りを取ってくるような感じで消え、もう二度と現れなかったよね。あれは顔ハメの妖精だったのかな…って、お前も勝手にお金徴収してるヤツだったのかよ!…こんな事が起きる国、面白いからハマっちゃうよね。

  この後に起きることも知らない無邪気な男達。


wakki_face ワキサカコウジ
イラストレーター

武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、雑誌や広告を中心に挿絵を提供。『週刊文春』での連載は10 年に及んだ。『an・an』でのエッセイ連載をきっかけに執筆活動も行う。毎年七夕に見つけた面白い短冊を、ブログやインスタで紹介する「短冊チェック」という活動もしている。
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