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ターおばさんに教わるベジ料理の魅力

自然とともに暮らすターおばさんがベジ料理の魅力を教えてくれました

チェンマイ中心部から車で約1時間半、メーテーン郡の森の奥深くに暮らすベジタリアン料理家ターおばさんを訪ねました。自分で耕した畑で収穫したばかりの新鮮な野菜を用いた料理は、野菜の甘さとともにその生命力が身体中に沁みわたるような特別な味わい。自然と共存する暮らしの哲学やベジ料理の魅力についてお話を伺いました。
ジャムニアン・イアムジャルーン (愛称ターおばさん)

バンコク生まれの63歳。
1983年にチェンマイに移 住し、自然素材から作る人形の工場を経営した後、タイ料理店を開業。現在は、チェンマイ在住の日 本人女性たちとともに「ターおばさんのべジキッチ ンツアー」を開催、森の中の自宅でベジタリアン料 理を教えている。また毎年、秋の年間行事ロイクラ トーンの「コムローイ上げイベント」にて料理監修ほ か、過去には人気のゲストハウス「ホシハナヴィレッ ジ」へのレシピ提供や、タイの王妃様へお料理を教 えて差し上げるという大変名誉な経験なども持つ。

目次

Q.1 いつから森の中で暮らすように?
Q.2 ベジタリアンになったきっかけは?
Q.3 ベジタリアン料理の作り方はどこで覚えたのですか?
Q.4 ベジタリアン料理を作るのは難しいですか?
Q.5  材料はどこで手に入れますか?
Q.6 どんな料理を作りますか??
Q.7 北タイの料理とタイ中部の料理の違いは?
Q.8 ベジタリアン料理の魅力とは?
Q.9 料理を美味しく作るコツはありますか?
Q.10 ベジタリアンになって人生が変わりましたか?

Q. いつから森の中で暮らすように?

A. 以前はチェンマイ中心部に住んでいましたが、5年ほど前にここに引っ越しました。十数年前からこの辺の森を所有していたのですが、その土地を僧院に寄進。またその隣に土地を買い、自宅を建てました。都会暮らしは交通の面では便利ですが、心に不自由を感じますね。自然いっぱいの森の中やお寺のそばに住むのが私には合っています。今はお寺で修行する時間を最優先し、そのお寺への寄進と日々の暮らしのために週に一度、チェンマイ市内の市場でベジタリアン料理を売ったり、自宅で料理教室を開催して生活しています。

Q. ベジタリアンになったきっかけは?

A. 1993年にお寺に通うようになったのですが、そこの尼さん達が皆ベジタリアンだったので、寄進するためにベジタリアン料理を研究するようになりました。それ以来、肉は食べていません。卵、牛乳、バターは食べます。

Q. ベジタリアン料理の作り方はどこで覚えたのですか?

A. お寺に通い始めてすぐ、自分で作るようになりました。元々、幼い頃から料理好きの母親と共に料理に親しんでいたので、楽しく研究しながら試行錯誤をして創作していきました。例えば旅に出たりして出会う美味しい料理は、必ず味を覚えておきます。地元にない食材があれば何で代用できるかとか、肉や魚や海老を使わなくてもどうしたら美味しく作れるかな、とか。以前は、ジェー(タイの菜食料理)のインスタント食品も使っていましたが、今はほとんど食べません。化学調味料や防腐剤を使用している食品や、何が入っているかわからないものは口にしたくないからです。毎食、自分で一から作ります。

Q. ベジタリアン料理を作るのは難しいですか?

A. ベジタリアン料理は難しいと思われていますが、実際はそんなことはありません。作り続けるうちに、肉を使う料理より簡単だと思うようになりました。肉の食感を出すためにキノコや椎茸の軸を使ったり、魚もどきを作るのに豆腐を摺って使ったりもします。使う調味料も少ないですし、ガピを使用しないということ以外は普通の料理と同じです。私が使う主な調味料は、シーイウ・カーオ(タイの醤油)、砂糖、塩のみ。たまに、椎茸から作られたうま味調味料を使うこともあります。料理を美味しく作るために大切なのは、新鮮な食材を使うことです。

Q. 材料はどこで手に入れますか?

A. 野菜は自分の畑で育てているので、市場などで買うことはほとんどありません。畑にはカナー(カイラン菜)、白菜、大根、レモングラス、カー(タイの生姜)、コブミカン、タイバジル、ホーリーバジル、ミントの葉などを植えています。野菜を育てるのが好きなんです。家で作れないのは、醤油などの調味料、お米、油くらいです。

Q. どんな料理を作りますか?

A. インド料理、洋食、中華、和食、ラオス料理など、なんでも作れます。タイ料理は各地域の郷土料理も作れますよ。

Q. 北タイの料理とタイ中部の料理の違いは?

A. 北タイ料理の方が材料がシンプルで、作るのも簡単です。タイ中部料理はココナッツミルクを多用するので、甘くてまろやかな味のものが多いですが、北タイ料理にはほとんど使用しません。北タイ料理は甘すぎず、酸味も強すぎず、ゲーン・ハンレー(生姜の効いたこってりカレー)などは日本人の口にも合うと思います。

Q. ベジタリアン料理の魅力とは?

A. ベジタリアン料理は味気ないと思っている人もいますが、そんなことはありません。料理の美味しさは、肉を使うか野菜を使うかで決まるものではありません。食べる人に幸せになっていに幸せになってもらいたい、という強い思いが料理を美味しくします。残念ながら、ベジタリアン料理に偏見を持っている人もいます。以前、お寺で「ラープ(主に肉類を使った東北地方の和え物)は男には欠かせない料理だ」と言われたことがあります。そこで、私が作ったベジタリアン料理を彼に食べさせたら、「ベジタリアン料理がこんなに美味しいなんて知らなかった。もうラープは食べなくてもいいや」と。それ以来、彼はベジタリアンになりましたよ。肉食は、癌など病気の原因の一つとも言われています。食事はすべての源です。昔、タイ人がまだ肉を食べる習慣がなかった時代には、癌などの病気も稀でした。

Q. 料理を美味しく作るコツはありますか?

A. 心を込めて作ることです。レシピ本を見てその通りに作るだけでもいけません。見た目は美味しそうにできるかもしれませんが、味付けには自分なりの試行錯誤や工夫が必要です。

Q. ベジタリアンになって人生が変わりましたか?

A. 年相応に手足が痛むことはありますが、それ以外は健康そのもの。ベジタリアンになる前と比べて、仕事に精が出るようにもなりました。病気にもかかりにくくなったと思います。



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