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ワキサカコウジ

ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわバンコック」 〜エカマイで無重力体験編〜

日本人が初めて宇宙に旅立ったのは1990年。当時高校生だった僕はその映像を見て、強い憧れを持ったものでございます。宇宙飛行士に……というよりは「無重力」のほうに。宇宙ステーションの中でプカプカと浮かぶ身体。クルっと回転したり、飛んで移動したり、とっても楽しそう。あぁこの世界が無重力だったら! 朝からスィ〜ッなんつって学校に行けるし、引越しのアルバイトもラクになるし、なんならもう女子の後ろに無言で浮かんでいたいよね。……妄想しがちな高校生にとって、無重力の世界は夢の一つとなったのです(もう一つの夢は透明人間)。
あれから四半世紀。そんな気持ちも忘れかけ、ぽっこりお腹をさすっていた僕に、朗報が舞い込みました。なんとここバンコクの、エカマイ駅近くにある科学博物館で無重力の体験が出来ると聞いたのです。わーい、宇宙飛行士になる努力を1ミリもせずに長年の夢を叶えられるなんて。まるでデビューのきっかけが「友達が勝手にオーディションに応募しちゃって」みたいな事ですよね。しらんけど。
というワケで、熱い期待を胸に科学博物館へ。そこはプラネタリウムや水族館なども併設されている立派な施設で、平日にも関わらず親子連れで賑わっておりました。科学をテーマとした本館の展示物はタイ独特のユルさが満載で、ボタンを押しても無反応だったり、謎のデザインだったり、いちいち気にはなります。が、本日の目的はただひとつ。脇目もふらず一階奥にあるという無重力体験の場所へ。おぉあった! これが無重力体験装置! ……そ、装置?

こんつわバンコック40 (もちろん体験!二階のベランダから飛び降りるくらい怖かったです。で、なにこれ。)


僕の目に映ったのは、5、6メートルくらいの垂直な滑り台。そのてっぺんには鉄棒が設置されていて、なぜか人がぶら下がっているではありませんか。危ないなぁと思って見ていると、その人、おもむろに棒から手を離したよね。え? つって。垂直に落ちる人。途中から滑り台になっているとはいえ、とっても危険です。……そして実はうすうす気づいちゃったけれど、これ、高い所から落ちる時のフワっとなる感覚=無重力という事なのでしょうか。壁には大々的に宇宙の風景、参加者にはNASAっぽいオレンジ色のツナギを着用させているけどね、うんとね、誰も言わないなら僕が言うしかないけれど、宇宙関係ないじゃん! 一応、借りてみたツナギのチャックは全く閉まらないし。無重力とは、ケガを恐れずに落ちる勇気の問題なのだと知れて良かったです。


wakki_face ワキサカコウジ
武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、各種媒体にて活躍。「週刊文春」「MEN’S CLUB」といった雑誌での挿絵連載の他に、近年では雑誌「an・an」でコラム連載を持つなど、執筆活動も行う。鳥を見るのが好き。
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