バンコク暮らしに役立つ!
カフェ、ランチ、雑貨、美容院、生活情報満載

ワキサカコウジ

ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわタイランド」第1回

どうもこんつわ、ワキサカです。
新連載『こんつわタイランド』が始まりました!……などと突然言われても困るでしょうから、ちょっと自己紹介させて頂きますね。僕は日本在住のイラストレーターで、お腹だけぽっこり独身中年メガネ男なのですが(底知れぬ恐怖とかは感じないでね)、10年ほど前に初めてバン コクを訪問して以来、毎年のようにタイを旅するようになったのです。きっかけはタイ特有の「ゆるい」雰囲気を気に入ったからに他なりません。

例えば最初の旅で印象に残っているのは、予定より早くホテルの自分の部屋に戻ったら、スタッフの男性がソファで昼寝をしていたこと。タイ人の好きな、鼻にスースーするやつを突っ込んでスースーしておりました。ゆり起こすと、何事もなかったように起き上がり「ソファの調子はOKです、えぇ」みたいなお顔をして出て行ったのです。

……そしてもうひとつ。
タクシーに乗ったら、運転手さんが突然テレビ電話で奥さま(たぶん)と喧嘩をしはじめたこと。運転に集中してほしいので「Are you OK?」と聞いたら「嫁が悪いんだよ」的な感じで画面を向けられたのよね。結果、知らない奥さまに挨拶をさせられるハメになりました。

……このように、今の日本ではほとんどあり得ない珍事が新鮮で楽しかったのであります。そんなこんなで約10年、毎回目的も決めずにぶらぶら観光してきました。情けない事に、いつまでたってもタイ語は覚えられないし(なんか語尾にカップをつければいいのは覚えたカップ)、コンビニ前にいる野良犬は怖いし、パクチーは相変わらずカメムシみたいな匂いがするけれど、タイはそれなりに治安も良く、優しい方も多いので一人旅でも何とかなるものですね。

先日もバンコクの中心部を流れるセンセープ運河の水上バスに乗ったのですが、ここはローカルの方が主に利用する交通手段。タイ文字表記ばかりで目的地の船着き場がよく分かりませんでした。王宮のある方面に行きたかったのですが、係員のお兄さんにも英語が通じずに困っていると、すぐ前にいたおばさまが振り向いて、笑顔でメモを渡してくれたのです。そこには船着き場を示しているのであろうタイの文字が書いてありました。
や、優しい!ありがとう。内容が一切分からないので奇跡的にラブレターの可能性もありましたが、そのメモを係員に見せたら無事到着する事が出来たのです。
そんな素敵な事があると、どんなに汚い運河でもまるでベニスにいるような気持ちになりますよね。しらんけど。

さて。
この連載はこんな感じで、僕が今までの旅で訪れた場所、出会った人、感じた事などを綴っていこうと思います。
読もうが読むまいが今後の人生に何の影響もない内容に、ぜひご期待くださいね。
水上バスでもらった実際のメモ。 どっちが上か下かも分からないのです。


wakki_face ワキサカコウジ
イラストレーター

武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、雑誌や広告を中心に挿絵を提供。 『週刊文春』での連載は10年に及んだ。 『an・an』でのエッセイ連載をきっかけに執筆活動も行う。 毎年七夕に見つけた面白い短冊を、ブログやインスタで紹介する「短冊チェック」という活動もしている。
ワキサカコウジのブログはこちら

CURRENT PROMOTIONS

SEE MORE

RECOMMEND

と暮らす 15号 2021年4月15日発行

BLOG CATEGORY

POPULAR POSTS