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ワキサカコウジ

ワキサカコウジのなりゆき観光コラム「こんつわバンコック」 〜バンコクのゲイタウンに行ってみる〜

東京で有名なゲイタウンといえば新宿2丁目ですが、ここバンコクにもそんな界隈があると聞きました。なんでも、裸で踊る男子達を鑑賞できるお店がたくさんあるのだとか。僕は性的にはストレートですが、子供の頃にはよくお風呂で裸で腰を振り、ペチンペチンという音を奏でるダンスをしておりましたので、いわば先輩にあたる身。一度視察をしておかねばならぬと、夜の繁華街へ向かってみました。

たどり着いたのはシーロム周辺の一本の道。明るくド派手なネオンが並ぶその通りには、明らかにそれと分かるタンクトップ姿の男子達が大勢たむろしているではありませんか。
ちょっと緊張しつつも足を踏み入れますと、なんといきなり彼らに囲まれ、腕を掴まれたのです。通常、外国でタンクトップ姿の連中に囲まれたら、すぐにお金を出し、白目を剥き、明後日の方向逃げるのが一番ですよね。しかしここの男子達はお店の客引きの様子で、一安心。むしろ両側から腕を引っ張られ、かの有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの人体図のような状態になれましたので、日常の中にアートを感じられて良かったです。

さて、せっかくですから、勇気を出して通りの奥にある一軒のお店に入ってみることに。入場料などはなく、すぐに客席に案内されました。で、びっくりしたよね。だってすぐそこのステージに、ずらっと10人ほどの極小ビキニパンツの男子達(ゴーゴーボーイと言われる)が並んでるんだもの。
突然の事で、モッコリに合わせてマッコリを注文するという機転もきかず、とりあえずビールを注文。そして派手な音楽に合わせ、目の前でクネクネ踊る彼らの揺れる股間を眺めつつ、運ばれてきた冷えたビールを飲み干す。


どうでもいいけど、ものすごい左曲がりの人がいましたよ


おぉ! これは最高……なワケないよね。そっちの趣味がないんだもの。

目のやり場に困って顔を見るとウィンクされるし、どうしたらいいか分からず、少々もじもじしていたら、店員さんからドリンクの催促が。仕方なく一杯おごってあげると、わりと濃厚なチューされたよね。
ちょうどその時に視界が暗くなったので、あぁ、ついに人生が終わったのかと思ったら、ショウタイムの時間でございました。下手でもなければそれほど上手くもない絶妙なダンスステージを拝見し、ドキドキの夜遊びは終了。ホテルに戻って鏡を見たら、ほっぺに口紅がついていたので夢ではなかったようです。


wakki_face ワキサカコウジ
武蔵野美術大学卒業後、イラストレーターとなり、各種媒体にて活躍。「週刊文春」「MEN’S CLUB」といった雑誌での挿絵連載の他に、近年では雑誌「an・an」でコラム連載を持つなど、執筆活動も行う。鳥を見るのが好き。
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