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バンコクの空の下

【連載】バンコクの空の下vol.5  タイの幼稚園のはなし~入学式の日~

と暮らす読者のみなさま、サワッディー・カー!
大変ご無沙汰してしまいました。とても久しぶりに、こうしてパソコンに向き合い、キーをたたいています。今までと違うのは、私の後ろに、寝ている次男がいること。
そうなんです。Vol.1の自己紹介のときに少しお話しましたが、7月末に無事次男を出産しました!元気にすくすく、成長曲線の平均をはみ出るほどに育っています(笑)

前回の記事から今までで、次男を出産したことが一番のビッグニュースではあるのですが、このことはまた次回以降の記事でお話させてくださいね。今回は次回に引き続き、タイのローカル幼稚園について書いていこうと思います。

5月10日が登園日初日でした。タイの幼稚園は右も左もわからない私と、3才になったばかりの息子。タイ人の夫も、30年以上前では今と様子も違い、なにより、田舎の小さな村出身なのでバンコクの幼稚園事情はほとんどわかっていません。それなのに学校からのお知らせは無いに等しく、朝8時ごろまでに登園すること、初日は半日で迎えに行くことの2つしかわかっていませんでした。入園後の不安も募りますが、ひとまず、アイロンをかけてぱりっとした制服に袖を通し、日本の祖母から送ってもらった真新しいリュックを背負って、新しい世界へ出発です!

リュックは幼稚園のものもあるのですが(ちなみにお値段は300バーツです)、それでなくてはいけない、というわけではないので、長く使えるものをと思い、自分たちで用意しました。制服と体操着は指定されていて、上下合わせてそれぞれ300バーツくらいでした。全て学校の購買で買うことができます。左胸にはあらかじめ学校の校章が刺繍されていて、右胸には購入後、学年、クラス、名前を刺繍してもらいます。刺繍代は1着につき50バーツでした。学年はタイ語でそれぞれ、年少がアヌバーン1、年中がアヌバーン2、年長がアヌバーン3といいます。アヌバーンを省略してオー1、オー2、オー3と呼んだりもします。息子はオー1なので赤い星が1つ。名前もタイ文字できれいに刺繍されていました。どうやら手仕事のよう。タイの人は本当に手先が器用です。

また、新年度が始まる前に、“教科書を買う日”というのが設けられていて、年少の息子のために、指定されていたワークブックを20冊くらい買いました。全部で400バーツほどでした。毎日宿題が出るそうで、家に帰って開いてみると、線引きやぬり絵だけでなく、数字、英語のアルファベットやタイ文字を書く練習のワークブックまであります。年少でこんなことまでやるのかと驚きました。願書を出しに行った日に、教室の窓から見えたワークブックに取り組む園児の姿。そこから感じた、“勉強させる幼稚園”の印象は正しかったようです。
私のなかの登園風景のイメージ通り、手をつないで、いろいろ話しながら登園しました。ひとつ想定外だったのは、幼稚園が面している大きな通りに出たときに、車の騒音がひどくて、会話が成り立たなくなってしまったことです。バンコクでは車やバイクの騒音、排気ガスが本当に深刻な状況です。また、歩道をバイクが走ってくるので、これにもよく注意しなければなりません。
登園日初日は金曜日。この日は慣らし保育のようなもので、小学生以上の子どもは次の週の月曜日から新年度がスタートします。そのため、学校中の先生たちが校内の至るところに立っていて、「サワッディー・カー!」「インディー・トンラップ・カー(ようこそ)!」と迎えてくだいました。出願時や学費を払いに行ったときに感じたツンケンした雰囲気はなく、どの先生もみなさんにこやかで、感じが良かったです。ところどころに写真スポットが設けられていて、前回の記事で使った写真もそのときに撮りました。

教室に着くと、すでに来ていた園児たちがブロックや恐竜のおもちゃで遊んでいて、息子も靴を脱いでどんどん中へ入って行き、さっそく加わっていました。初めての場所なのに、我が息子ながらさすがです。私も急いで靴を脱いで中に入ったのですが、なぜか靴を履いたままの子もいます。タイの学校では上履きのようなものはなく、廊下は靴で、教室には靴を脱いで靴下で入るのが普通です。靴を脱いだ私たちに気が付いた先生に「まだ下駄箱にシールを貼っていないから、今日は脱がなくてもいい」と言われました。

教室の外に貼ってあるクラス写真も、依然前年度のもののまま。先生、今日から新年度のはずですが…。幼稚園は憶えていませんが、小学校の入学式の日、教室の机の右上にはちゃんと自分の名前が書かれたシールが貼ってあって、教室の掲示板は必要な掲示物以外はまっさらで、黒板には「ご入学 おめでとう」と書かれ、お花紙でつくられた花がたくさん飾ってあったはず…。と私の日本の小学校入学式の日の記憶がだだーっと蘇ってきました。周りを見ると、新年度の準備が整っていないのは息子のクラスだけではない様子。ザ・タイですねえ。なんでも必要最低限の準備で始まるようです。
入園式のようなものはないので、夫は普通に仕事へ行っていましたし、私も息子を教室へ送り届け、12時ごろに迎えに来ることを確認したら、すぐに帰宅しました。保護者の顔合わせも、連絡事項も、担任の先生の自己紹介も全くなしでした。とてもあっけなかったです。

息子のいない家の中。静かで、なんだか手持無沙汰でした。でも半日なので、家事をしていたらあっという間に迎えに行く時間。歩道橋の上り下りは妊娠後期の身にはなかなか大変ですが、徒歩10分弱なのはやはり有り難いです。

ドキドキしながら教室へ迎えに行くと、息子に「遅い~!」と泣きつかれてしまいました。教室にはまだたくさんお迎えを待っている子がいるし、決して遅くはないのだけれど…。朝はあんなに楽しそうにしていたのに、やはり、初めての世界、タイ語だけの世界、疲れたね。帰り道、「何をしたの?」と聞いても「いろいろなことをした。」と答えるだけで、学校については話したがらない様子。すぐにほかの話題にすり替えられてしまいました。初めての幼稚園、お疲れさまでした。
半日保育ではあったのですが、給食も済ませて来てくれているので、母は楽でした。この給食もタイの幼稚園では一般的で、お弁当を作る日なんて全くありません。遠足の日でも、カーオ・グロン(お弁当)が遠足先で配られます。とても楽ちんです。ただひとつ、言わせていただきたいのが、給食の献立がまるで分らないということです。

私が通っていた小学校では、使われる食材まで詳しく記載された1か月分の給食の献立が毎月、お便りとして配布されていました。給食がある日本の保育園でもそうだと思います。ところが、息子が通う幼稚園では献立のお便りも、先生からのお知らせもなく、毎日息子がなにを食べているかを知るには息子に聞くか、先生に直接聞くよりほかありません。しかしまだ3才の息子。回答は断片的で、「ご飯みたいな麺」だったり「卵とスープ」だったりです。あるとき、毎朝朝礼が行われている広場の隅に献立が記載されていることに気が付いたのですが、これは小学生用の給食でした。小学生はけっこう辛いメニューも食べているようです。さすがタイですね。息子の先生に聞いてみたところ、幼稚園生にはチャーハンやスパゲッティ-といった食べやすいメニューが出されているそうです。食事中の写真を見せてもらうと、タイの学校給食用のアルミの大きなお皿から、大人と同じサイズのスプーンとフォークを使って頑張って食べている年少クラスの園児たちが写っていました。肝心のメニューはというと、炭水化物はバッチリですが、野菜不足感が否めないものでした。

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